リポート

【関東学童茨城新人戦/決勝】“関東の雄”が...
ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の茨城県予選。決勝は、茎崎ファイターズが神栖マリーンズを4回コールドで下し、2年ぶり11回目の県新人王に輝いた。1年前は決勝で大敗した茎崎は、今夏の全国舞台でよもやの初戦敗退。新チームの5年生たちが、6年生たちの悪夢のひとつをまずは払拭した形に。地元・茨城である関東大会の1回戦(11月23日)は、千葉代表・豊上ジュニアーズとの注目の対決となる。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 優勝=2年ぶり11回目 くきざき 茎崎ファイターズ 準優勝 かみす 神栖マリーンズ ■決勝 ◇10月20日 ◇第3試合 神栖マ 0000=0 茎 崎 4303x=10 ※4回コールド 【神】天野陽、沼田-伊藤夏 【茎】石塚-佐々木 茎崎は一番・投手で先発の石塚が、攻守でチームをけん引した 茎崎ファイターズは、3年秋から不動のレギュラー遊撃手・石塚匠がついに最上級生(5年)に。2年続けて夏の全国舞台でもプレーしている俊英が、学童野球ラストイヤーをまずは無難に滑りだした。 新チームの最初のタイトルを賭けた県決勝は、満を持してマウンドへ。球速は大半が80㎞台後半で、驚くようなボールではないが、左右コーナーにきっちりと投げ分けていく。 打者一巡目をパーフェクト(失策と守備妨害あり)に抑えた後の3回に初安打を許したが、レギュラー2年目の捕手・佐々木瑠星との共同作業で二盗を阻止。そして終わってみれば、許した走者は2人だけという、ほぼ完璧なピッチングで胴上げ投手となった。 神栖は3回表に一番・野口治主将が中前打(上)。先発の天野陽(下)は大量失点も、4回途中まで1四死球と根気強く投げた 「優勝できてまずは良かったです」と石塚。1年前は同じ決勝のマウンド(リポート➡こちら)で、悪夢のような苦い経験をしただけに、安堵もひとしおといったところか。 試合評が選手紹介のような走り出しになったのは、他でもない。それほどワンサイドのゲームとなり、一番の立役者が元“スーパー3年生”であったからだ。 打線においては前年度から一番固定の石塚は、バットと足でも流れを引き寄せた。1回裏、左打席からライトへ鮮やかにヒットを放つと、次打者の初球で二盗。同じく、満を持して先発した神栖マリーンズの天野陽斗は、力強いボールを投じるも、機先を制されて揺さぶられ、波に乗れなかった。...
【関東学童茨城新人戦/決勝】“関東の雄”が...

【関東学童茨城新人戦/準決勝❷】コールド負...
ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の茨城県予選。新人戦の準決勝第2試合は、4回表を終えて7点差と、コールド決着も見えてきた矢先に同点となり、特別延長のサヨナラ劇で決着した。互いに適時失策と四死球も複数あった一方で、同じく2ケタ安打で2ケタ得点。ミラクルを呼ぶ守備の連係プレーもあり、両ベンチに学ぶべき点もある大乱戦だった。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 第3位 さくらがわ 桜川ツインズ ■準決勝2 ◇10月20日 ◇第2試合 桜川ツ 52111=10 神栖マ 20072x=11 ※5回特別延長 【桜】木内、高島、七ツ役-七ツ役、木内 【神】伊藤夏、沼田-天野陽、伊藤夏 桜川は5年生10人でスタメンもオール5年生(上)。神栖は5年生7人、スタメンに3年生が2人、4年生が1人(下) どう甘く見ても、打者のヒットにはならない。フライの捕球体勢に入ってからの落球や、無理のない体勢からの悪送球は、小学生の野球でも明らかなエラーだ。 そういうミスが双方に複数あって、失点にも絡んだから「好ゲーム」とは言えまい。ただし、新チームが走り出して間もないこの時期には、ままあることだ。粗を突くより、両軍がマークした2ケタ安打の2ケタ得点のほうに目を向けたい。またどちらの選手たちも、試合展開による緊張はうかがえたものの、ベンチや結果に怯えてプレーしている感じはまるでなかった。 1回表、桜川が坂本(上)、鳥羽慶斗(中央)、高柳奏斗(下)の各タイムリーで5得点 最大7点差もひっくり返った末のサヨナラだから、「大乱戦」という表現が適切だろう。勝者には流れを引き寄せる守備のビッグプレーがあったことも見逃せない。 好調打線vs.粘る守備 打力が秀でていたのは、5年生9人がスタメンに名を連ねた桜川ツインズだ。1回戦から準々決勝まで3試合すべて2ケタ得点で、2回戦では21得点。準決勝もバットが振れていた。 1回裏、神栖は一番・野口治主将の中前打(上)から二死満塁とし、六番・野口昌がレフトへ2点タイムリー(下) 1回表、四番・坂本海侍の先制2点タイムリーを含め、5本の長短打で5点を先取。2回は五番・木内陽斗、3回には二番・高島幸がそれぞれタイムリーを放った。さらに4回表は、先頭の坂本が左中間二塁打を放ち、続く木内のバント安打の間に本塁を陥れて9点目が入る。 「この大会は打ち勝つぞ! とやってきたチームですが、1点がほしい場面ではバントもします」と桜川・矢﨑利樹監督。打点がついた走者二塁からのバントのサインには、コールド勝ち(5回7点差)につなげようとの意図も含んでいたという。 桜川の先発・木内(上)は3回まで2失点とゲームメイクし、打っても3安打3打点。二番・高島は3安打で2本目の二塁打は当初、ダイレクトでサク越えとの判定で笑顔でラン(下) 対する神栖マリーンズは、そこから驚異的な粘りを発揮した。スタメンの3人が下級生という若い布陣ながら、1回戦では9対8と接戦をものにしている。この準決勝で特筆するべきは、4回裏の猛反撃へとつなげた、表の守りだった。...
【関東学童茨城新人戦/準決勝❷】コールド負...

【関東学童茨城新人戦/準決勝❶】「土浦支部...
11月23・24日のノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会。そのメイン会場となる、茨城県のノーブルホームスタジアム水戸では、10月20日に県予選の最終日があった。70mの特設フェンスがある中で、準決勝2試合と決勝1試合でサク越えアーチはなし。それでも見どころのあった3試合を、順番にレポートしていこう。まずは同支部対決となった準決勝の第1試合。 ※記録は編集部 (写真&文=大久保克哉) 第3位 さくらがくえん 桜学園ベースボールクラブ ■準決勝1 ◇10月20日 ◇第1試合 桜学園 0100=1 茎 崎 0074x=11 【桜】東郷、戸頃、東郷-堀柊 【茎】百村-佐々木 茎崎は5年生11人で、佐々木と佐藤は8月の全国舞台でもプレーしている(上)。桜学園は合併6年目で、今夏の全国予選県大会も5年生10人の多くが経験(下) 準決勝の第1試合では、つくば市で活動する2チームが激突した。 茎崎ファイターズは45年の伝統と、今夏を含めて全日本学童11回出場の実績がある。2019年の夏には全国準優勝を遂げたが、同年の4月に地元3チームが合併して産声をあげたのが、桜学園ベースボールクラブ。こちらは3年目の2021年の代に、新人戦と全国予選で県大会初出場を果たしている。 主導権を先に奪ったのは、その新興チームだった。立役者は先発右腕の東郷直翔だ。70㎞台のボールで打たせて取っていく。 1回裏は二死から与四球と2盗塁でピンチを招くも、茎崎の四番をフルカウントから二飛に。すると2回表、四番・戸頃魁星主将が四球を選んでからエンドランの内野ゴロで二進。そして七番・東郷の中前打で先制のホームを踏んだ。 桜学園・東郷が抑えて打って、序盤戦リードの引き金に 自らのバットで先取点を生んだ東郷は、波に乗る。2回裏は一死から与四球も、一塁けん制でアウトに。そして3アウト目を71㎞の右飛で奪うと、ベンチへと戻っていく足取りが自ずと弾み、顔もほころんだ。 「東郷がテンポよく投げてくれて、すごく良い流れで試合に入ることができました」と、桜学園の大﨑将一監督。好投の右腕に限らず、選手たちの表情が瑞々しい。順調な立ち上がりが大きな理由だが、「思い切って伸び伸びと、楽しくやろう!」という、県大会の位置付けが呼び水となっていた。 「練習試合は厳しくなっちゃいますけど、県大会は恐怖を感じる場所ではない。ある意味、発表会? そういうことですね」(同監督) 2回表、東郷の中前打で二走・戸頃主将が一気に生還(上)。大﨑監督(下)は息子と娘が在籍した前身のチームから指導者で、桜学園で初代の指揮官に さて、2回までノーヒットの茎崎打線。「新チームは、いつものウチらしい野球に戻りました」と吉田祐司監督は事前に話していたが、3回裏の攻撃にそれが見て取れた。 俊足の左打ちの八番・本田大輝が、セーフティバントでチーム初安打。次打者の初球で二盗、3球目で三盗(=下写真)を決めてたちまち無死三塁に。九番・野刈家快成も四球を選ぶと、桜学園は戸頃主将をマウンドへ。左腕から90㎞を超える速球をバンバン投げ込んだが、相手に傾いた流れは止められなかった。 無死一、三塁から二盗と四球で満塁となり、暴投で二走・野刈家まで生還して茎崎が2対1と逆転。なおも四球、バント安打、テキサス安打で5点目が入り、五番・関凛太郎の左中間へのエンタイトル二塁打(=上写真)で6対1に。...
【関東学童茨城新人戦/準決勝❶】「土浦支部...

【関東学童都新人戦/決勝】旗の台、涙の4年...
ノーブルホームカップ第26回関東学童軟式野球秋季大会の予選を兼ねた東京都新人戦は10月6日、旗の台クラブの4年ぶり2回目の優勝で閉幕した。大会2連覇中だった船橋フェニックスとの決勝は、開始から一進一退の展開に。70mの特設フェンスがない板橋区立城北野球場で、ランニング本塁打が5本も飛び出したが、パンチ力以外にも両軍の色と可能性がうかがえる熱戦だった。旗の台は11月23・24日の関東大会(茨城)と、来年7月の高野山旗(和歌山)に出場。準Vの船橋は来夏の阿波おどりカップ(徳島)出場権を得ている。 ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング (写真&文=大久保克哉) 優勝=4年ぶり2回目 はたのだい 旗の台クラブ 準優勝 ふなばし 船橋フェニックス ■決勝 船 橋 20030=5 旗の台 20150x=8 ※時間規定により、5回裏二死で終了 【船】前西、中司-佐藤 【旗】大野、豊田-遠藤 本塁打/佐藤2、高橋(船)、大島、柳(旗) 5年生主体の新チームの代となっても、東京都は変わらずハイレベル。群雄が割拠し、有能なプレーヤーも点在している。来年6月の全日本学童予選、翌7月の都知事杯も激戦必至だろう。この新人戦の推移と大一番の決勝は、そう思わせるに十分だった。 船橋は登録25人、うち5年生が21人。森重監督(下)は長男の代から指導者となり11年目の61歳 47都道府県で唯一、1000チーム以上が加盟する東京都では、4年生以下の王者を決めるジュニアマック(マクドナルド・チャンピオンシップ)という大会がある。この新人戦で地区予選を制し、都大会に出てきたチームの多くは、1年前に同舞台を経験している。 その王者・カバラホークスを1回戦で、準Vのレッドサンズを3回戦でそれぞれ下し、決勝まで駒を進めてきたのが、船橋フェニックスだった。1年前のジュニアマックは予選敗退も、5年生の中心選手たちは今夏の全日本学童(16強)でベンチ入りし、夢舞台のレベルや熱気を肌で感じている。 旗の台は登録23人で5年生が16人。チーム代表を兼ねる酒井監督(下)は10月で64歳に。昨年のジュニアマックは3回戦まで進出 そしてトーナメントのもう一方の山を、ぶっちぎりで勝ち上がってきたのは、旗の台クラブ。2回戦から準決勝まで4試合連続で2ケタ得点の大勝だった。そして迎えた決勝は、1年前と同一カード。このときは4対1で船橋が勝利している(リポート➡こちら) 見応え十分の初回攻防 それぞれのベンチの顔ぶれは、6年生チームとは異なる。それでも変わらぬハイレベルを強烈に印象づけたのは、1回の攻防だった。 先攻は新人戦2連覇中の船橋だ。佐藤優一郎主将の目の覚めるような先頭打者ホームランで先制すると、続く二番・柴原蓮翔はセーフティバントを敢行。一発直後の小技というアイデアもさすがだが、三塁線に転がるバントを完璧に捌いた左利きの三塁手・豊田一稀もお見事だった。...
【関東学童都新人戦/決勝】旗の台、涙の4年...

【特別リポート】不遇体験から栄誉!産学共同...
真っすぐな想いと行動力が、人の心をも動かす――。中京大中京高(愛知)の女子軟式野球部員と、野球用具メーカーのフィールドフォースが昨年、共同開発して完売した「簡易型更衣テント」。この再販に向けた大学生のアイデアが、スポーツの産学連携を推進する学会のコンペで2つの賞を独占した。受賞したのは同野球部OGで、中京大スポーツ科学部3年の前田汐帆理さん。高校では満足な野球生活を送れずも、プレゼンの「オンライン甲子園」で全国優勝。それから3年、女性アスリートの環境改善への変わらぬ想いが受賞作への引き金となり、再販も秒読み間近だという。前田さんの動向を中心に、一連を学童野球メディアが特報する。 (取材・文=大久保克哉) (資料提供=中京大スポーツ科学部草薙ゼミ) ■日本スポーツ産業学会 【創設】1990年(平成2年) 【会員】正会員584人/学生会員118人/賛助会員13社/法人会員9社・1団体※2024年7月現在 【主な学会員】大学教授・大学院生ら研究者と大学生。スポーツや健康産業、宣伝・報道に関わる民間企業、プロスポーツ団体など 【主な活動】学会大会、学会誌発行、セミナー、コンペ、カンファレンスほか 【公式HP】https://spo-sun.gr.jp/ 日本スポーツ産業学会「アイデアコンペ」口頭発表後の懇親会にて。中京大中京高の女子軟式野球部OGの中京大3年、前田さん(左から3番目)が2つの賞を独占した スポーツを産業として発展させつつ、より豊かで、より多くのビジネスを創出することに寄与する。1990年に設立された「日本スポーツ産業学会」の研究の主眼は、おおよそそういったところか。 今でこそ違和感も生じないが、当初は風当たりも強かったという。非科学な根性論や常軌を逸した精神主導主義と、体育(スポーツ)を商いとすることへの表向きな嫌悪感。これらのピークは過ぎていたとはいえ、色濃く残る昭和末期から平成初期の時代も生きてきた中高年には、同学会の存在意義や貢献度をはかり知ることもできるだろう。 中京大の前田汐帆理さんの受賞は、同学会でのアイデアコンペの口頭発表によるもの。「スポーツ庁長官賞」と「スポーツ産業学会会長賞」の表彰2部門を独占した。ダブル受賞は歴代初で、企業や大学院生ではなく、大学生の受賞も珍しいことだという。 そもそも、最終ステージの口頭発表まで進むだけでも栄誉だ。数ある応募作品がまずは書類選考でふるいにかけられ、二次選考で15作品から絞られた5作品が発表の場へ。前田さんが大学で在籍するスポーツ科学部の草薙ゼミでは、8チームが同コンペに応募も、いずれも途中で選外に。前田さんの受賞作は、個人として企画・応募したものだったという。 それだけの“偉業”である。少し長くなるが作品名をノーカットで紹介しよう。 『女性アスリートの問題解決! “簡易型更衣テント”による女性スポーツ実践者の増加を目指した簡易型更衣テントの販促方法の実践!!!』 窮状や悲哀に始まり 「簡易型更衣テント」については、学童メディアが開設してすぐの昨年春に特報している(➡こちら)。 同商品の企画発案は、高校女子軟式野球部員として、窮状や悲哀を憂える中京大中京高(愛知)の有志たち。「環境をより良くすることから、女子野球の発展に貢献したい!」との熱い想いと、具体的で本気の取り組みが野球用具メーカーを動かした。そして意志を汲んだものが新商品(=下写真)として市場に登場し、完売している。 中京大の前田さんも同部のOGで、3年時の2021年には東海大会を制して全国出場を決めたものの、コロナ禍で全国大会は開催されず。新型コロナウイルスの蔓延で立ち消えた全国大会は、野球競技に限らない。 しかし、それは2020年のことで、翌21年は参加・観戦方法などを変更して大半が復活した。ところが、学生スポーツ界がその流れにあった中で、女子軟式野球の中高の全国大会は2年連続の中止。蚊帳の外に置かれてしまったのだった。 前田さんら当時の3年生部員は、その無念とエネルギーを「女子野球の発展」という前向きな想いへ転換。そしてそれをプレゼンという具体的な形へ落とし込み、「オンライン甲子園」で日本一に。そして卒業後も高校の後輩たちと連携し、フィールドフォース(FF社)のバックアップを受けて世に生んだのが「簡易型更衣テント」だった。 同商品の“売り”は、持ち運びも組み立ても簡単で、コンパクト(1辺2mの立方体)であること。そのため、場所を選ばずに女子選手も安心して着替えなどができる。また、「手間いらず」や「省スペース」は、FF社がメインとする自主練習用具の基本コンセプトとも重なっており、ユーザーに理解されるのも早かった。 こうして産学連携で生まれた同商品は、あっという間に在庫が尽く。だが、その後は円安の影響もあって、製造はストップしたまま。女子選手を取り巻く環境も大きな進展がなく、根本的な問題はほとんど解決していない。 大学3年生になった前田さんが、今回の産業学会のアイデアコンペに応募を決めたのは、そういう現実をより広く知ってもらうことが第一義だったという。 「自分自身が高校時代に感じていた不便さとかは、今もあまり変わっていない気がします。『女子なのに野球!?』とか言われない世界。性別に関係なく、誰でも自分らしく快適にスポーツができる世の中になってほしい」...
【特別リポート】不遇体験から栄誉!産学共同...

【都王座決定戦/速報】不動が最後で栄冠に。...
東京都の年間最後のタイトル。全日本学童予選と都知事杯の各4強による、第16回東京都学童王座決定戦は9月8日、駒沢硬式野球場で準決勝と決勝を行い閉幕。決勝は不動パイレーツが、船橋フェニックスを8対7で破り、2年連続5回目の優勝を果たした。 (写真&取材=大久保克哉) 8月にはそれぞれ全日本学童に出場して、不動は3位に。5年生以下の新チームはすでに別で動き出している。年度の最後となるタイトル戦の決勝は、6年生だけの総力戦となった。昨秋の新人戦からタイトルを総なめにしてきた船橋は史上初の都4冠に向け、2回に木村心大の2ランや神田咲太のタイムリーなどで7対1と大きくリードした。 しかし、不動はその裏、菅井大翔、細谷直生、米永結人がそれぞれ二塁打など打者10人の猛攻ですぐさま7対7に追いつく。そして、3回裏に鎌瀬清正主将の右タイムリー(=下写真)で勝ち越すと、4回表はマウンドの唐木俊和が無死一塁のピンチを脱し、0点に抑えたところでタイムアップとなった。 決勝 ◇9月8日 ◇駒沢硬式野球場 船橋フェニックス[世田谷区] 2500=7 161 X=8 不動パイレーツ[目黒区] ※4回時間切れ 【船】高橋、吉村、木村-竹原 【不】細谷、佐伯、唐木-鎌瀬、細谷 本塁打/木村(船) 三塁打/石田(不)、竹原(船) 二塁打/難波、菅井、細谷、米永(不) 優勝 不動パイレーツ 鎌瀬慎吾監督「この子たちは、ちょっとやそっとの展開では慌てなくなってきたんですよね。今日も2回に1対7になりましたけど、心理的な動きがどうこうというのはなくて。ベンチも、別に船橋なら打つでしょ、くらいな感じ。なので逆転勝ちはうれしいですけど、そこまで大きな驚きはないです」 鎌瀬清正主将(決勝の右前打)「最後に良い試合、かどうかは分からないですけど、優勝で終われてよかったです。5年生は新チームで動き出しているので、今日は6年生11人だけで初めてピッチャーやるのもいたり。逆にそういうところでチームの一体感が高まったのかなと思います。(決勝打の打席は)自信はなくて、スローボールもあるなと狙っていました。良い所に飛んでくれてよかったです」 難波壱外野手(2打数2安打2打点)「2回に6点差(ビハインド)でヤバいなと思ったけど、すぐに打線がつながったので(第2打席は)強い気持ちで打つことができました。東京の最後の大きな大会で良い思い出ができました」 細谷直生内野手(2回に2点二塁打)「(107㎞の速球を逆方向へエンタイトル二塁打)素直に打ち返せました。船橋に勝てていやぁ、マジでめっちゃうれしいです。ハマヤン(船橋・濱谷隆太※小4まで別チームでバッテリーを組んできた仲)にマウント取れますね。取りまくる(笑)」 米永結人内野手(2回に7対7に追いつく適時二塁打)「船橋に勝って優勝できて最高です。今年の4月くらいからスクールに通い始めてからバッティングの調子が良くなりました。中学でも野球を続けます。試合の流れを変えられるような選手になっていきたいです」 ...
【都王座決定戦/速報】不動が最後で栄冠に。...

【都知事杯/決勝&ヒーロー】東京無双。3冠...
新人戦、全日本学童予選、都知事杯と“東京グランドスラム”を船橋フェニックスが達成した。第47回東京都知事杯フィールドフォーストーナメントの最終日、準決勝に続く決勝で前年度優勝のレッドサンズに10対5の勝利。主将が体調不良でダウンも、従来からの複数ポジション制と控え選手で十分に穴埋め。重量打線も3本塁打など、大目標の日本一へ弾みをつけた。真っ向勝負で散ったレッドサンズは、全国大会と同時期の関東学童へ出場する。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング 優勝=初 船橋フェニックス 準優勝=関東学童へ レッドサンズ ■決勝 ◇7月15日 ◇スリーボンドスタジアム八王子 レッドサンズ 20012=5 5112 X=10 船橋フェニックス ※5回時間切れ 【レ】大熊、中田、高橋-杵淵 【船】松本、木村、吉村-竹原 本塁打/半田(船)、高橋(船)、吉村(船) 昨年はレッドサンズが全日本学童予選と都知事杯の2冠、新人戦は船橋が初優勝。新チームになっての対戦は初めてだった。レッドは登録21人(下)、船橋は同15人(上) 都知事杯を掛けたファイナルで、新旧の王者が激突。意外にも、新チームとなってからは初めての顔合わせだった。ともにダブルヘッダーの2試合目ながら、先発のマウンドにはエース格の右腕をそれぞれ送り出した。 後攻の船橋フェニックスは松本一、先攻のレッドサンズは大熊一煕。ともに世代を代表するレベルの選手だ。 そしてこの大一番をより盛り上げたのは、前年王者のレッドだった。直近1年の実績では大きく水を開けられているものの、昨夏の全国銅メダリストも何人か残る。気後れも遠慮もなかったことは、佐藤公治監督の試合後のコメントからもうかがえた。 「ウチはチャレンジャーのつもりでいきました。初回の攻撃は良かったですね」 1回表、レッドは中田(上)と高橋(下)の連打に盗塁、敵失で2点を先取する...
【都知事杯/決勝&ヒーロー】東京無双。3冠...

【都知事杯/準決勝&敗軍ヒーロー】レッドは...
第47回東京都知事杯フィールドフォーストーナメントの最終日、準決勝2試合はいずれもコールドで決着した。ほぼワンサイドとなった展開の中で、レッドサンズの大熊一煕選手(6年)がサイクル安打の偉業を達成。敗れた2チームにもまた、特筆に値する働きや存在感を示したヒーローがそれぞれにいた。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング 3位 小山ドラゴンズ 3位 高島エイト ■準決勝1 ◇7月15日 ◇スリーボンドスタジアム八王子 小山ドラゴンズ 10042=7 8141 X=14 レッドサンズ ※5回コールド 【小】横山、中村、玉田-肥沼 【レ】大熊、門田、中田-杵淵、山本 本塁打/竹澤(レ)、大熊(レ)、中田(レ) ★大熊一煕(レッドサンズ6年)がサイクル安打を達成 1回表、横山の三塁打(上)と中村の左前打(下)で小山が先制 前日の準々決勝で終盤に逆転勝ちした勢いそのままに、小山ドラゴンズが幸先よく先制した。 1回表、三番・横山翔大主将の左越え三塁打と、続く中村優護の左前打で1点。だが、その裏のマウンドに上がった左腕の横山主将が、前日とは別人のように制球が乱れてしまった。3つ目の四死球が押し出しとなって1対1、なおも無死満塁のピンチが続く。 前年度王者のレッドサンズは、この大チャンスを逃さなかった。五番の5年生・門田亮介が右へ2点二塁打、続く竹澤律志主将はレフトの頭上へ鮮やかに打ち返す2ラン。さらに打順2巡目に入って、久保俊太(5年)と大熊一煕の連続三塁打で一気に8得点と、大勢をほぼ決めた。 レッドは竹澤主将の2ラン(上)や5年生・久保(中央)の適時三塁打などで初回に8点。2回も高橋勇人(下)の三塁打から加点...
【都知事杯/準決勝&敗軍ヒーロー】レッドは...

【都知事杯/準々決勝総評】次代の主役へ!5...
第47回東京都知事杯フィールドフォーストーナメントの準々決勝は、前年度優勝のレッドサンズほか、全国出場経験のある強豪が順当に勝利した。敗れたうちの2チームは、5年生で編成するBチームで、ともに先制するなどキラリと光るものがあった。また大田区代表の美原アテネスは、チーム最高の都8強へ躍進、父親監督は息子が卒団後の来年度もチームを率いるという。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ■準々決勝 ◇7月14日 ◇スリーボンドスタジアム八王子 【第1試合】 (文京区) レッドサンズ 012113=8 200100=3 国立ヤングスワローズB (国立市) 【第2試合】 (東久留米市) 小山ドラゴンズ 000021=3 100100=2 船橋フェニックスB (世田谷区) 【第3試合】 (板橋区) 高島エイト 01300=4...
【都知事杯/準々決勝総評】次代の主役へ!5...

【全日本学童千葉大会/決勝&ヒーロー】リカ...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメント千葉大会の決勝は、豊上ジュニアーズが常盤平ボーイズに2対1で勝利し、2年ぶり5回目の全国出場を決めた。1点を争うロースコアの接戦となる中で、互いにミスを挽回する好プレーも連発。千葉459チームの王者を決めるにふさわしいファイナルだった。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「豊上ジュニアーズ」は追って掲載します 優勝=2年ぶり5回目 豊上ジュニアーズ(柏市) 準優勝=関東学童大会へ 常盤平ボーイズ(松戸市) ■決勝 ◇6月22日 ◇中田スポーツセンター野球場 常盤平ボーイズ 000010=1 10100X=2 豊上ジュニアーズ 【常】山内、牛方-宮村 【豊】桐原-岡田 試合前の相手チームのシートノックに前向きな声掛け。豊上(下)が加盟する柏市発祥の伝統が、県大会にも及びつつあった 昨年度はこの大会を制した八日市場中央スポーツ少年団が、初出場の全国でベスト4入り。千葉県のレベルがあらためて証明された。 その昨年の決勝同様(リポート➡こちら)、今年も県王者を決するファイナルは序盤から緊迫した。互いに守りではミスを補って、おつりもくるような好プレーを応酬。最後の最後まで、どちらに転ぶかわからない好勝負となった。 1勝1敗、手の内知る同士 また双方の活動拠点、松戸市と柏市とは隣接しており、低学年から毎年2、3試合は手合わせをしているという間柄。2週間前には他大会の予選で対戦し、常盤平ボーイズが6対4で豊上ジュニアーズを破っている。さらにその前、昨秋の新人戦では県準決勝で対決し、豊上が8対1でコールド勝ちしている。 要するに、新チームになってからは1勝1敗のタイ。戦力も手の内も知り尽くす同士ゆえの接戦だったのかもしれない。雌雄を決するべく3度目の対峙には、1枚の全国切符が掛かっていた。 指揮官同士もよく知る間柄。上は豊上・髙野監督、下は常盤平・田口監督 「今年のウチは運動神経のある子がまったくいないので、常盤平が羨ましいといつも言ってたんですよ。ウチは4年生までは1勝もできなかった相手ですから。すごい選手が集まっている」 これは豊上・髙野範哉監督の弁。確かに戦前のシートノックでは、常盤平の選手たちの体格や強肩が際立っていた。そしてバットスイングもやはり、力強かった。...
【全日本学童千葉大会/決勝&ヒーロー】リカ...

【全日本学童茨城大会/決勝&ヒーロー】圧巻...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメント茨城大会の決勝は、茎崎ファイターズが水戸レイズを9対1の5回コールドで破り、2年連続11回目の全国出場を決めた。茎崎はエースがあわや完封の快投、四番が先制3ランを含む3打数3安打と、中軸が機能。敗れたレイズも5回に3安打で1点と意地を見せ、全国スポ少交流へつながる関東大会へ弾みをつけた。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「茎崎ファイターズ」➡こちら 優勝=2年連続11回目 茎崎ファイターズ(つくば市) 準優勝=スポ少関東大会へ 水戸レイズ(水戸市) ■決勝 ◇6月16日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 水戸レイズ 00001=1 3042X=9 茎崎ファイターズ ※5回コールド 【水】宮内、小島-市毛 【茎】佐藤映、折原-藤城 本塁打/川崎(茎) 全国を経験している強豪同士。応援も熱かったが、互いにマナーとリスペクトも感じられた どちらのチームも全国区。双方の応援席は多くの人の姿が見られ、スタジアム全体に活気があった。茨城予選での直近の顔合わせは2年前、2022年の準決勝だ。これを9対5でものにした水戸レイズ(以降、レイズ)は、続く決勝も制して6年ぶり2回目の優勝。ロングヒッターが居並ぶ打線の猛威は、8月の全国大会にも及んで14対0、7対0と圧勝を続けて過去最高の3回戦まで進んでいる。 今年も上位打線はバットが振れている印象だった。しかし、髙木政彦監督は試合後にこう打ち明けた。 「2年前の打線に比べたら、力は半分もないんじゃないかな。スイング力も、芯で捉える能力も。去年の秋の新人戦は地区予選で負け。それも1回戦負けですよ」 レイズは登録25人。6年生が11人で4年生が2人 一方の茎崎は2019年に全国準V。登録22人の5・6年生の中には、昨年の全国大会でもプレーした選手が複数いる。左腕の佐藤映斗と藤城匠翔主将のバッテリーは、1年前の県決勝もスタメン出場。5年生の石塚匠も前年度から不動のリードオフマンだ。また前日の準決勝では、1年前の決勝を戦った上辺見ファイターズを、7対0の5回コールドで下していた。...
【全日本学童茨城大会/決勝&ヒーロー】圧巻...

【全日本学童茨城大会/3位決定戦&ヒーロー...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメント茨城大会の3位決定戦は、冒頭から点取り合戦の末、4回に再逆転した上辺見ファイターズが8対4で勝利し、8月の第47回関東学童大会出場権を手にした。敗れた那珂湊マーリンズ野球スポーツ少年団(以降、一部省略)は、2004年の創部以来初の県4強進出。全国区の強豪にも正面から立ち向かう姿が印象的だった。 (写真&文=大久保克哉) ※決勝戦リポートは近日中に掲載します 3位=関東学童大会へ 上辺見ファイターズ(古河市) 4位 那珂湊マーリンズ野球スポーツ少年団 (ひたちなか市) ■3位決定戦 ◇6月16日 ◇ノーブルホームスタジアム水戸 上辺見ファイターズ 031310=8 202000=4 那珂湊マーリンズ 【上】舘野、金子恭、大曾根-大曾根、田中 【那】長山、鈴木-宮崎、長山 全国大会と同じく、茨城大会は70mの特設フェンスありで実施されている 高校野球の夏の茨城大会決勝も行われるノーブルホームスタジアム水戸(=上写真)。1984年夏の甲子園、取手二高の全国制覇も見届けたというオールドファンには「水戸市民球場」のほうが、しっくりとくるかもしれない。 現在はLEDの電光掲示板や球速表示システムもある同スタジアムで、全日本学童予選の最終日を迎えるのは異例なようだ。例年の予選会場は、隣接する水戸市総合運動公園軟式野球場。県の盟主・茎崎ファイターズの関係者でも、メインスタジアムでの最終日は記憶にないという。 「今年はたまたま空いていたんです」と宮下護大会委員長。それでも例年通り、全国大会同様の70m特設フェンスを設置するあたりはプライドものぞく。1990年から19年間、茨城県は全日本学童大会の舞台となってきた。その予選から全国大会と同じ仕様を提供するのも当然と、いわんばかりの気もする。 予選大会で70mフェンスを設けている都道府県が、果たしていくつあるだろうか。筆者は今夏、関東の1都5県を取材したが、茨城大会以外で目にすることはなかった。 上辺見(上)は登録19人で、4人の6年生が前年からのレギュラー。那珂湊(下)は3年生3人を含めて登録25人。どちらもスタメンに4人の5年生がいた さて、3位決定戦では、特設フェンスをダイレクトで超えるボームランは生まれなかった。唯一超えたのは、上辺見ファイターズの四番・大曾根生夢主将が最終回に放った、中越えのエンタイトル二塁打のみ。...
【全日本学童茨城大会/3位決定戦&ヒーロー...

【特別リポート】手弁当で3年目。元五輪戦士...
日本の道路の起点「日本橋」もすぐそこ。開校から150年超という都心の公立小学校で、元オリンピアンによる「投げ方教室」が行われている。コロナ禍でひっそりと始まって3年目。「児童にいろんな経験を!」という学校側の求めに応じて、ボランディアで講師を務めるのはアマ球界の功労者のひとり、飯塚智広さん。この初夏、午前中の授業であった同教室を訪ねた。 (写真&文=大久保克哉) [元NTT東日本監督/NHK高校野球解説者] 飯塚智広 いいづか・ともひろ●1975年9月28日生まれ。千葉県鎌ケ谷市出身。二松学舎沼南高(現・二松学舎柏高)で主戦投手として、2年春に千葉大会優勝。甲子園出場はならずも、2年夏と3年春も県準優勝。亜大で外野手となり、井端弘和(侍ジャパン監督)との一・二番コンビで3年秋に東都大学リーグ優勝に貢献。卒業後は社会人のNTT関東(翌年からNTT東日本)で活躍し、2000年シドニー五輪にも出場した。引退後の2009年から指導者となり、2017年にNTT東日本を都市対抗優勝に導く。現在は社業に専念の傍ら、NHKの高校野球解説や亜大の外部コーチも務める ちゅうおうくりつときわ 中央区立常盤小学校 【創立】1873年(明治6年) 【所在地】東京都中央区本石町4丁目4-26 【在校生】308人(6学年計12学級) 【校長/副校長】浮津健史/平田裕美 【特記】1923年(大正12年)の関東大震災で旧校舎が全焼も、区の「復興小学校」として1929年(昭和4年)に鉄筋コンクリートの現校舎が完成。現在は東京都選定「歴史的建造物」、経済産業省「近代化産業遺産」に 大震災復興のシンボル 東京駅と神田駅と日本橋とを結ぶ、トライアングル。「日本のへそ」とも言えるエリアのビル群に一区画だけ、古き良き時代を偲ばせるような門構えや建物がある。そこが今回訪ねた、中央区立常盤小だった。 いくらか背は低いようだが、いかにも堅牢なクリーム色の3階建てが校舎で、全面ラバーの校庭をコの字で囲んでいた。 「校舎は鉄筋で築95年。関東大震災(1923年)で旧校舎が全焼後に復興のシンボルとなって、子どもたちのために近代的な建物を、と6年掛かりで建てたと聞いています」 出迎えてくれた浮津健史校長によると、校庭の広さは区内でもおそらく最小。運動を促すために、放課後は屋上と体育館も学年単位の日替わりで解放しているという。 「3年生までは放課後に遊んでいても、4年生からは学習塾の子が増えてきます。そういう中で、本校ではボール投げ、水泳、走り方や文化系でも外部から専門家を招いての授業に積極的です。これらの授業は教員の研修も兼ねていますが、普段は自分たちで考える授業に主眼を置いている分、教えていただいたことをどう自分のものにしようかと工夫する姿が見られます。中でも『投げ方』の飯塚先生は、子どもたちにとても人気です」(同校長) 授業は45分で午前中は4コマ。取材日の「投げ方」教室は、6年生と4年生の2クラスにそれぞれ1コマずつが割り当てられていた。 毎回が自身にも勉強 人気の先生は授業の間、ほとんど動きっぱなし。実投する生徒たちの間を巡回しながら、驚くようにして褒めたり、ゼスチャーを交えて簡単にアドバイスをしたり。厳しい日差しや吹き出してくる汗を気にする様子もなかった。 教室も3年目とあって、生徒にも戸惑いはほぼなし。大小のボールをどんどん的へ投げ込んだ 「45分しかないので、入念なアップはしないですね。野球選手を育てるとか、スポーツテストの成績を上げるのが目的ではありませんので、細かいことや難しいことも言わない。だいたいは模範を見せてから『あそこを狙って投げてこらん!』という感じです」(飯塚智広さん) 取材日の教室は、野球用具メーカーのフィールドフォースが全面協力。複数のネット類や的、大小や形状の異なるボールに、野球経験者のサポート役も動員されていた。これによって、生徒は4グループでローテーションしながら、数パターンの実投を体験。そして最後は、一人ずつの遠投でそれらの成果を実感するという形で授業が構成されていた。 印象的だったのは、生徒たちが全力でトライする姿。明るい声や笑顔も多かったが、自分が投げる際はどの顔も真剣そのもの。6年2組の槌野晴斗さんは「投げ方の授業はもう5回目か6回目。ふだんは物を遠くまで投げる機会がないので、最初はとても難しく感じました。でも最初のころよりは遠くに投げられるようになりましたし、思い切り投げられるのは気持ちがいいです」と話してくれた。...
【特別リポート】手弁当で3年目。元五輪戦士...

【全日本学童都大会/決勝&ヒーロー】濃密4...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメント東京都予選大会の決勝は、船橋フェニックスが不動パイレーツを9対6で破り初優勝。昨秋の新人戦に続いて、東京1051チームの王者に輝いた。準決勝の勝利で全国出場を決めていた両軍の一騎打ちは、激しく流れが行き来。経験値と地力で優る船橋が大逆転から逃げ切ったが、不動も食い下がる熱戦となった。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「不動パイレーツ」は近日中、「船橋フェニックス」は都知事杯リポート後に掲載します ※※記録は編集部、本塁打はすべてランニング 優勝=初 船橋フェニックス(世田谷区) 準優勝 不動パイレーツ(目黒区) ■決勝 ◇6月15日 ◇府中市民球場 不動パイレーツ 0114=6 045×=9 船橋フェニックス ※4回表終了、時間切れ 【不】難波、山本、嶋本-細谷 【船】松本、髙橋、長谷川-竹原 本塁打/木村(船)、石田(不) 双方のベンチの上では、それぞれの下級生たちが観戦しながら応援 先手を取ったのは… 加盟チーム数は47都道府県で唯一の4ケタを誇る「東京」。そのチャンピオンが、そうあっさりと決まるわけがない。 両軍ともに昨夏も全国出場している。今年も地元の予選から長い道のりを勝ち続けてきた同士が、一進一退の攻防を展開。結果、4イニング半しか消化できなかった90分間が、あっという間に感じたのは筆者だけではないだろう。それだけハイレベルで、中身の濃い戦いでもあった。 新チームの実績では、船橋フェニックスが凌駕している。無敗のまま新人戦の関東王者となり、2024年に入っても首都圏江戸川大会、ナガセケンコー杯と23区の主要大会を制覇した。 1回表、不動の二番・難波がレフト前へ、両軍通じて初安打を放つ しかし、この日の先手を取ったのは昨夏、東京勢最高の全国準優勝を遂げた不動パイレーツだった。唯一残った準Vのレギュラー戦士、難波壱が1回の攻防で大いに存在をアピールした。...
【全日本学童都大会/決勝&ヒーロー】濃密4...

【全日本学童都大会/3位決定戦&ヒーロー】...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメント都大会の3位決定戦は、しらさぎが8対0の5回コールドで旗の台クラブを下し、1977年の創部以来初となる全国出場を決めた。昨秋の都新人戦で準Vの旗の台は、8月の阿波おどりカップに続いて9月のGasOneカップ出場も決まった。東京3枚目の全国切符を巡る戦いは、好対照なカラーがぶつかり合い、それぞれにヒーローも生まれた。 (写真&文=大久保克哉) ※全国展望チーム紹介「しらさぎ」➡こちら ※※記録は編集部、本塁打はランニング 3位=全日本学童初出場 しらさぎ(江戸川区) 4位=GasOneカップへ 旗の台クラブ(品川区) ■3位決定戦 ◇6月15日 ◇府中市民球場 旗の台クラブ 00000=0 11204x=8 しらさぎ ※5回コールド 【旗】井手、寺村-片山 【し】新井、田中-方波見大 本塁打/田中2(し) 全都道府県で唯一の4ケタ。1000チーム以上が加盟する東京都の全国出場枠は「2」。これに「開催地代表」が加わって計3枠となる。本大会の東京固定開催は今年度がラストになるため、「開催地代表」をかけた3位決定戦も、これで最後。あるいは当面はなし、ということになるのだろう。 ともあれ、今年はどちらが勝っても初の全日本学童大会出場となる。1967年創立の旗の台クラブは、東京予選での4強入りも初めて。1977年創立のしらさぎは、2016年と2022年の2度、3位決定戦で苦杯をなめている。 両軍とも東京界隈では知られた強豪だが、「小学生の甲子園」こと全日本学童にはまだ縁がない。またどちらが負けても、9月の上部大会の出場権は得るが、この決戦を勝ち切ることしか頭になかったはず。ちなみに現6年生たちは昨秋の新人戦の都準々決勝でも対戦し、11対1で旗の台が大勝している。 互いにミスから始まる 目には見えない独特の緊張感ゆえか、1回から双方の守りにミスが出た。そしてその得た走者を確実に生還させた、しらさぎのペースで試合は進んでいくことに。 しらさぎの先発・新井(上)は90㎞台半ばの速球を主体にゲームメイク。旗の台の先発・井手(下)は最速105㎞の速球で押していった...
【全日本学童都大会/3位決定戦&ヒーロー】...

【全日本学童埼玉予選/決勝】“猛打全開”山...
県下43支部代表による第44回全日本学童マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会は、山野ガッツの初優勝で閉幕した。1回戦からの2ケタ得点は最終日の準決勝で途切れるも、ダブルヘッダーの2試合目となる決勝では3本のランニング本塁打を含む12安打12得点と猛打全開。全国準Vの実績もある市選抜軍、東松山スポーツ少年団をまるで寄せ付けなかった。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、文中の本塁打はすべてランニング ⇧初優勝※チーム紹介記事➡こちら 山野ガッツ(越谷市) ⇩準優勝 東松山スポーツ少年団(東松山市) ■決勝 ◇6月8日 ◇おふろcaféハレニワスタジアム熊谷 東松山スポーツ少年団 0021=3 5124=12 山野ガッツ ※5回時間切れ 【東】足立、斎藤、石川、大島-吹野、大島、吹野 【山】樋口、伊藤-三木 本塁打/三浦(山)、石川(松)、遠山2(山) 今年の東松山は5年生が9人、うち4人が最終日にスタメン出場 選抜軍の東松山スポーツ少年団が、最後に全国の地を踏んだのは2015年。4年生1人を除く、17人の6年生は軒並みハイレベルで、銀メダルに輝いている。 それから9年。チームの様相は変化していた。創設当初からの指導陣はそっくり代わっており、メンバーは16人に減って6年生は7人、あとは5年生。準決勝では九番・二塁で渋い働きが光った足立欄は、5年女子だ。 「市内の5・6年生が減ったというわけではないです。強いチームをつくりたいという中で、今年は5年生に良い子が多くいましたので、結果としてこういう編成になりました」と久保滋典監督。決勝の先発マウンドに送ったのは、5年女子の軟投派の右腕・足立だった。 「相手の山野さんは大量得点で勝ち上がってきてますし、強いバッターたちにあえて、弱いボールをあてがうという戦略を立てたんですけど、それも通用しませんでしたね」(同監督) 1回表、二死一、三塁のピンチを無失点で切り抜けた山野は「走者をホームに返さなきゃいいんだよ!」と瀬端監督 相手が下級生の女子であろうと、山野ガッツの打線は容赦がなかった。準決勝同様、中井悠翔と樋口芳輝の一・二番コンビの連打であっさり先制すると、三番・三浦歩斗が左打席から右翼線への2ランで3対0に。 続く四番・増田慎太朗主将が四球を選んだところで、東松山は背番号1の右腕・斎藤琉惺をマウンドへ送るも、山野打線は止まらない。七番・高松咲太朗の左越え2点二塁打で、リードはいきなり5点となった。...
【全日本学童埼玉予選/決勝】“猛打全開”山...

【全日本学童埼玉予選/準決勝❷】見所も見応...
悲願の全国初出場へ、2ケタ得点の圧勝を続ける強力打線に対するは、過去2回の全国経験がある試合巧者。第44回全日本学童マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会、準決勝の第2試合は見所も見応えもある好ゲームとなった。試合評とともに、特筆すべき勝者のリーダーと、敗軍の横顔もお届けしよう。 (写真&文=大久保克哉) ※記録は編集部、本塁打はすべてランニング ※※決勝のリポートは追って掲載します 第3位 吉川ウイングス(吉川市) ■準決勝2 ◇6月8日 ◇おふろcaféハレニワスタジアム熊谷 吉川ウ 02210=5 山 野 20151x=9 ※5回時間切れ 【吉】湊、藤田、湊、大浦-大浦、鹿島 【山】高松、三木、伊藤、高松-樋口 本塁打/中井、増田、遠山(山) 吉川は先発の湊が、いつもの整ったフォームから丁寧に投げ続けた(上)。1回で2失点も、誰も慌てていなかった(下) 6年生15人で26点、15点、23点、14点。各支部代表による県大会ながら、1回戦から圧倒的な得点力で勝ち上がってきたのは山野ガッツだ。 対する吉川ウイングスは6年生8人。昨秋の茨城大会優勝も経験しているエース左腕・湊陽翔(保護者の転勤に伴い、移籍)を、先発のマウンドに送り出した。 「打たれてもいいので、バックを信じて投げました」。こう振り返った湊にもチームにとっても、いきなりの失点は十分に想定内だったようだ。 1回裏、山野はテキサス安打で一気に三進した一番・中井が、二番・樋口の右中間二塁打(上)で先制のホームイン(下) 1回裏、山野は一番・中井悠翔のテキサス安打と、二番・樋口芳輝の右中間二塁打であっという間に先制する。さらに五番・伊藤大晴が右へきれいに流し打って、2対0となった。 しかし、吉川は老獪な攻め口ですぐさま追いついてみせる。四番・黒田彪斗が敵失(悪送球)で出てそのまま三進、続く鹿島琉は四球と二盗で無死二、三塁に。そして六番・大浦大知(5年)のライトゴロで、まずは黒田が生還した。 「内野ゴロでもいいから、ここはとりあえず1点を返そう、という思いで打席に立ちました」(大浦) 2回表、吉川は5年生2人が各1打点。大浦の右ゴロ(上)に続き、大塚のスクイズバント(中)で、三走・鹿島がかえり2対2に(下) 山野の右翼手・三木大輔の好守により、大浦の技ありの一打はヒットにはならなかった。しかし、一死三塁となって大塚淳斗(5年)が同点スクイズを決めると、主導権は吉川に傾く。エース左腕が2回裏を0点に抑えると、3回表は四球と盗塁に敵失絡みで、無安打ながら4対2と勝ち越してみせた。...
【全日本学童埼玉予選/準決勝❷】見所も見応...

【全日本学童埼玉予選/準決勝❶】白熱のシー...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメントの埼玉県大会は、他の上部大会の予選を兼ねていない。つまり優勝チームが全国出場権を得るのみ。ファイナル進出をかけた準決勝は、2試合とも逆転また逆転の好勝負となった。まずは全国でも実績のある選抜軍と、創部18年目で躍進してきた単独チームとの第1試合と、特筆すべき敗軍をレポートする。 (写真&文=大久保克哉) ※準決勝第2試合と決勝のリポートは追って掲載します 第3位 熊谷ウイングス(熊谷市) ■準決勝1 ◇6月8日 ◇おふろcaféハレニワスタジアム熊谷 東松山 11003=5 熊谷ウ 10030=4 ※5回時間切れ 【東】朝倉、斎藤-吹野、大島、吹野 【熊】志村、恒木-恒木、石塚 本塁打/石川(東)、井上(熊) 1回表、東松山は三番・石川(5年)が中越え先制ランニング本塁打(上)。その裏、熊谷は三番・石塚が同点タイムリー(下) 全日本学童大会に出場10回、うち3回は準優勝している東松山スポーツ少年団は、東松山市の選抜チーム。2015年以来、9年ぶりの全国出場を期す。 対する熊谷ウイングスは、2007年創部の熊谷市の単独チームだ。2019年には県大会(全日本学童予選)初出場で3回戦まで進出。5年ぶり2回目の今大会はベスト8、さらにベスト4と、チーム最高成績を更新してきた。 東松山は右本格派の朝倉壮大が3回まで被安打1と力投(上)。2回表には一死一、三塁から九番・足立(5年女子)のライトゴロで2対1に(下) 友好関係にあり、練習試合もしているという両チームの戦いは序盤から動いた。 まずは1回表、東松山の三番・石川惺央(5年)が目の覚めるような鋭い弾道の中越えランニング本塁打で先制。その裏、熊谷は二番・恒木結稀主将が四球から盗塁と敵失で三進すると、三番・石塚快偉斗のテキサス安打で同点のホームを踏む。 東松山はまたすぐに突き放した。2回表は、一死から七番・室田颯汰(5年)が右中間へ二塁打。斎藤琉惺が左前打で一、三塁とすると、九番の5年女子・足立欄がバント失敗(ファウル)の直後にライトへきれいに弾き返す。これは熊谷の右翼手・花又宙の好守に阻まれてヒットにはならなかったが、三走が生還するには十分だった。 熊谷は先発の志村(上)、3回から登板の恒木主将(下)が粘り強く投げた 以降はしばらく、1点リードの東松山のペースで進んだ。2回裏には強肩捕手の吹野陽哉主将が二盗を阻み、3回裏には右翼手の斎藤が美技。だが、追加点は奪えそうで奪えない。 熊谷は先発の志村明も、3回から救援した恒木主将も、走者を負ってからの粘投が光っていた。そして4回裏、一気に試合をひっくり返す。 4回裏、熊谷は四番・矢崎の三塁打(上)に続いて、五番・井上が中越えランニング本塁打(下)で3対2と逆転に成功する...
【全日本学童埼玉予選/準決勝❶】白熱のシー...

【全日本学童山梨予選/決勝&ヒーロー】サヨ...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメントと第47回関東学童の予選、山梨県大会は6月2日、ラウンダースの6年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。明見ジュニアベースボールクラブとの決勝は、敗北まであと1球という窮地で2度までも同点に追いつき、ついには逆転サヨナラで勝利。全国切符が1枚しかないのが惜しまれる大熱戦に、選手とチームの横顔も含めてリポートする。 ※記録は編集部 ※※3位決定戦リポートは➡こちら (写真&文=大久保克哉) ⇧優勝=6年ぶり2回目 ラウンダース ⇩準優勝=関東学童へ 明見ジュニアベースボールクラブ ■決勝 ◇6月2日 ◇緑が丘スポーツ公園 ◇ふじでん球場 明見ジュニアBC 0000013=4 0000014x=5 ラウンダース ※特別延長7回 【明】宮下真、桒原-宮下蓮 【ラ】深沢、伊藤航-中村准 ともに全国出場1回。一塁側の明見JBC(上)も三塁側のラウンダーズ(下)も、スタンドの熱さとマナーのある応援も互角だった 2度目の全国出場をかけて ラウンダースは2018年に全日本学童大会に初出場で3回戦進出。翌19年に同大会に初出場したのが、明見ジュニアベースボールクラブだった(初戦敗退)。 夏の夢舞台を知る同士だが、新チームが船出した昨秋は明暗がくっきりと分かれていた。ラウンダースは県大会を制して関東大会に出場。一方の明見JBCは最初の予選、富士吉田市大会のそれも1回戦で敗退していた。 そんな両軍が1枚の全国切符をかけた大一番で対峙し、見どころ十分の名勝負を展開した。それぞれに選手主体の野球が確立されているのだろう、真剣勝負の中でもピリついたムードはなく、子どもらしい生き生きとした表情や明るい声がフィールドを支配。それは試合が激しく動いた終盤戦に限らず、スコアレスで進んだ5回までの攻防も同じだった。 明見JBCは宮下善主将が先頭打者安打から二盗(下)。ラウンダースの先発・深沢主将(上)は以降の打者16人をシャットアウトで5回まで無失点 ラウンダースは深沢昴主将、明見JBCは5年生の宮下真之介。先発した両左腕はストライク先行で、打たせて取る投球が冴えまくった。...
【全日本学童山梨予選/決勝&ヒーロー】サヨ...

【全日本学童山梨予選/3位決定戦評】昨夏全...
第44回全日本学童マクドナルド・トーナメントと関東学童の予選、山梨県大会は6月2日に閉幕。3位決定戦は昨夏全国8強の甲斐ジュニアベースボールクラブ(JBC)が、連合チームの青桐・羽黒・千塚JBCを5回コールドで下した。前日の準決勝での敗北で上部大会の目が消えた両軍だが、緊張の糸を切らすことなく、それぞれに持ち味を発揮した。 ※記録は編集部、決勝戦評は後日公開します (写真&文=大久保克哉) 第3位 甲斐ジュニアベースボールクラブ ■3位決定戦 ◇6月2日 ◇緑が丘スポーツ公園 ◇ふじでん球場 青 桐 11000=2 甲 斐 00252x=9 ※5回コールド 【青】石合、石濱-土橋 【甲】村井、中込旭-中込旭、村井 本塁打/中込旭(甲) 序盤ビハインドでも慌てる様子のなかった甲斐。「監督の焦りや緊張は子どもに移っちゃうので、どう落ち着いて構えられるかがボクの今からの勉強です」と中込監督 甲斐市内の5チームが合併して2021年に船出した甲斐JBCは、昨夏の全日本学童での快進撃が記憶に新しい。6年生(現中1)が18人、切れ目のない打線で3回戦では14安打15得点。2回戦では全国準Vの実績もある強豪・北名古屋ドリームス(愛知)を1点差で退けてみせた。 発足4年目の今年は6年生が11人で5年生が9人。昨夏の夢舞台を経験した選手はいないが、照準は当然、そこに合わせてきたという。父親監督の中込裕貴監督は、県下一の厳しさを自認する。 「世の中の逆風じゃないか、というくらいに厳しくやってきました。野球はメンタルスポーツ。10の力が本番で3になっちゃう子がいれば、3の力が本番で5になる子もいる。だから厳しい特訓で、厳しいプレッシャーを与えてきました」 青桐・羽黒・千塚JBCは合同で大会に参加して2年目になる 一方の青桐・羽黒・千塚JBC(以下、連合軍)は、合同チームとなって2年目。ユニフォームは青桐で統一、6年生12人に5年生3人、4年生5人。羽黒出身の佐藤竜雄監督は一枚岩となれたことが、ここまで勝ち上がれた要因だと語った。 「一つになるというのは難しい面もありましたけど、逆にこの出会いの縁を親御さん含めてとても大切にしてくれて、よくまとまってくれました。指導者冥利に尽きますね」 3回を境に形成逆転 戦いの先に上部大会はないものの、両軍ともベスト布陣で対峙した。スタメンのうち5年生は連合軍が2人、甲斐には3人。 連合軍は1回表、二番・佐藤天の二塁打(上)を皮切りに先制。2回には八番・花形(5年)が中前タイムリー(下)...