東京都の年間最後のタイトル。全日本学童予選と都知事杯の各4強による、第16回東京都学童王座決定戦は9月8日、駒沢硬式野球場で準決勝と決勝を行い閉幕。決勝は不動パイレーツが、船橋フェニックスを8対7で破り、2年連続5回目の優勝を果たした。
(写真&取材=大久保克哉)
8月にはそれぞれ全日本学童に出場して、不動は3位に。5年生以下の新チームはすでに別で動き出している。年度の最後となるタイトル戦の決勝は、6年生だけの総力戦となった。昨秋の新人戦からタイトルを総なめにしてきた船橋は史上初の都4冠に向け、2回に木村心大の2ランや神田咲太のタイムリーなどで7対1と大きくリードした。
しかし、不動はその裏、菅井大翔、細谷直生、米永結人がそれぞれ二塁打など打者10人の猛攻ですぐさま7対7に追いつく。そして、3回裏に鎌瀬清正主将の右タイムリー(=下写真)で勝ち越すと、4回表はマウンドの唐木俊和が無死一塁のピンチを脱し、0点に抑えたところでタイムアップとなった。
決勝
◇9月8日 ◇駒沢硬式野球場
船橋フェニックス[世田谷区]
2500=7
161 X=8
不動パイレーツ[目黒区]
※4回時間切れ
【船】高橋、吉村、木村-竹原
【不】細谷、佐伯、唐木-鎌瀬、細谷
本塁打/木村(船)
三塁打/石田(不)、竹原(船)
二塁打/難波、菅井、細谷、米永(不)
優勝
不動パイレーツ
鎌瀬慎吾監督「この子たちは、ちょっとやそっとの展開では慌てなくなってきたんですよね。今日も2回に1対7になりましたけど、心理的な動きがどうこうというのはなくて。ベンチも、別に船橋なら打つでしょ、くらいな感じ。なので逆転勝ちはうれしいですけど、そこまで大きな驚きはないです」
鎌瀬清正主将(決勝の右前打)「最後に良い試合、かどうかは分からないですけど、優勝で終われてよかったです。5年生は新チームで動き出しているので、今日は6年生11人だけで初めてピッチャーやるのもいたり。逆にそういうところでチームの一体感が高まったのかなと思います。(決勝打の打席は)自信はなくて、スローボールもあるなと狙っていました。良い所に飛んでくれてよかったです」
難波壱外野手(2打数2安打2打点)「2回に6点差(ビハインド)でヤバいなと思ったけど、すぐに打線がつながったので(第2打席は)強い気持ちで打つことができました。東京の最後の大きな大会で良い思い出ができました」
細谷直生内野手(2回に2点二塁打)「(107㎞の速球を逆方向へエンタイトル二塁打)素直に打ち返せました。船橋に勝てていやぁ、マジでめっちゃうれしいです。ハマヤン(船橋・濱谷隆太※小4まで別チームでバッテリーを組んできた仲)にマウント取れますね。取りまくる(笑)」
米永結人内野手(2回に7対7に追いつく適時二塁打)「船橋に勝って優勝できて最高です。今年の4月くらいからスクールに通い始めてからバッティングの調子が良くなりました。中学でも野球を続けます。試合の流れを変えられるような選手になっていきたいです」
準優勝
船橋フェニックス
木村剛監督「今までやってきたことも特に変えずに来ましたし、今日も下位打線でしっかり点が取れたのはウチの野球でした。(敗北は)その結果なので、それ以上は特に何もないですね。まぁ、ミスのところは今までもそれをひっくっり返してきましたので。今日はそれができなかっただけです」
神田咲太郎外野手(準決勝で三塁打、決勝で適時内野安打)「悔しいですね。自分が最後の打者になるまでは結構、良い結果を残せていてよかったんですけど、最後の打席で見逃し三振。打てなかったこと、バットを振れなかったのがやっぱり、悔しいです。中学でも野球は続けます」
木村心大内野手(2回に2ラン)「ホームランは通算で70本くらいですかね。今日は勝てなかったけど、まだ先がある。ポップアスリートカップで勝ち続けていて、冬の神宮(全国ファイナル)に行けるチャンスが残っているので、がんばります」